■装置概要
Eagle2000はリモートフィールド法(RFET)を利用したボイラーチューブ、熱交換器チューブなどの検査に使用する装置です。渦流探傷試験は非磁性体チューブの検査には信頼性が高いのですが、磁性体チューブにおいてはうまく適用できません。リモートフィールド法は磁性体チューブを検査するために開発された手法です。
プローブの充填率に余裕があるため、さほど厳密に清掃をする必要もなく、φ100を超える大型のチューブも検査可能です。また探傷速度が水浸UTに比べて速いことから全数全線探傷による詳細なチューブの肉厚管理が可能になります。データは全てパソコンに保存し、解析画面ではフィルター処理も可能です。また水浸UTと組み合わせることでより精度の高い測定が出来ます。現在産業用ボイラーチューブや船舶のボイラーチューブ検査に使用されています。検出コイルが最大8つに分割したマルチチャンネルタイプもあります。
■装置仕様
重量 | 探傷器本体…3Kg |
プローブサイズ | φ12~φ82mm |
使用電源 | AC100V/220V(バッテリーも可能) |
■原理
励磁コイルに交流電流を流すと直接磁場と間接磁場がそれぞれ形成されます。直接磁場はノイズの原因となるものですが、励磁コイルから離れると急激に減衰するという性質があります。そのため検出コイルは直径の約3倍ほど離れた位置に設定し、間接磁場のみを検出できるようにします。一方間接磁場は、一度管壁を透過して管外側を進み、再び管壁を透過して管内側に達します。そのため途中に減肉があればその磁場の変化を検出コイルで検出します。
■ボイラーチューブの検査
ボイラーチューブにプローブを挿入し、高速で全線探傷します。充填率に余裕があり、また水浸UTほどチューブ清掃の影響を受けないためにスムーズに探傷が出来ます。抜き取りではなく全数全線の検査が可能であるため、より詳細なチューブ肉厚管理が出来ます。産業用ボイラーや船舶用ボイラーのチューブ検査で活用されています。
■熱交換器の検査
熱交換器チューブの腐食検査に使用します。磁性体チューブも検査可能という特長があります。また局部減肉用に検出コイルを最大8つに分割したマルチチャンネルタイプもあります。