◎Line-Catによる配管溶接線の割れ検出試験

 Line-Catにより配管溶接部に発生した割れを検出する室内試験を行いました。Line-Catは16チャンネルセンサーを使用し、溶接線を通過するように軸方向に走査しました。検査対象管は4B管スケジュール40を採用して、@健全溶接線 と A裏面割れ(幅3mm、長さ40mm、深さ3mm)溶接線 のデータを記録して、解析画面でそれぞれの波形を比較し割れ検出能力の検討をした結果、明瞭に欠陥を検出していることが確認できました。

  健全部溶接線と裏面割れ溶接線の差がPhase値に明瞭に現われました。。割れ欠陥の信号を確実に検出しています。この試験で対象とした割れ欠陥は比較的大きな人工欠陥でありますが、現場で実際に発生する割れ欠陥が同程度の大きさ・形状であれば十分に検出できる能力を持っております。施工不良とされるイモ付け溶接で配管を接合した場合には、地震等の衝撃により漏洩に繋がる大きな裏面割れが発生する危険性があり、この試験で対象とした人工欠陥と同程度でないかと考えられます。このような欠陥は表面の目視検査では検出できません。また、超音波探傷試験だけでは見落とす危険性があり、さらに全数・全面を検査するのに工期と工費を大幅に要します。総合的にみて、Line-Catによる配管溶接部割れ検出は最も適した技術でないかと考えられます。

探傷写真

試験体写真

@健全溶接線

A裏面割れ溶接線