◎ファルコン ウエルドスキャナーによる隅肉部溶接検査

1.概要
3.試験結果
 タンク側板と底板の隅肉部の検査はMT(磁粉探傷検査)が主体でありますが、底面からの腐食による漏洩を防ぐ目的から溶接内部の検査も必要です。ファルコンウエルドスキャナーは隅肉溶接部の検査が可能です。検出コイルを下図に示すように隅肉形状にそって設置しています。
ファルコン ウエルドスキャナー
2.試験方法
 試験片は、板厚12.0mmの隅肉溶接した板に、φ4mm貫通欠陥を2箇所、φ13mmドリル穴(80%減肉)1箇所を有したものを使用しました(下記図参照)。ウエルドスキャナーを隅肉溶接に沿って走査してデーターを採取した後、解析ソフトにてそれぞれの欠陥の検出信号を評価をしました。
B
A
@
@:φ4貫通欠陥
A:φ13ドリル穴
B:φ4貫通欠陥
 (隅肉溶接から1mmの位置)
A:φ13ドリル穴
 板厚に対し80%減肉

    (隅肉溶接の位置)
B
A
@
B:φ4貫通欠陥
@:φ4貫通欠陥
 (隅肉溶接から13mmの位置)
Aの欠陥と検出コイルの配置図
検出コイル
 隅肉溶接部の保守検査は、主にMTによる表面割れ検査及びバキュームテストが行われています。しかし、底面からの腐食や割れはこの方法では検出できません。漏洩事故を未然に防ぐためにも貫通しない状態の欠陥をウエルドスキャナーで検査されることを推奨します。
4.考察
探傷状況
試験状況